新しい事業や商品の開発、あるいは他との差別化を図る場合に、戦略的にデザインを活用することの重要性が認識され、デザインの役割や位置づけが見直されてきています。その一方で、デザインに関する著作権や意匠権などの知的財産権(知財権)に関わる知識不足や認識の誤りからトラブルにまきこまれる場合があります。
このような現状を踏まえ、平成29年度(3回実施)に引続き、芸術やデザインに関わる知的財産権(知財権) に潜むリスクや取扱いについて紹介する「デザイン活用セミナー」を開催しました。
平成30年度の新たな取り組みとして、参加者の理解度を深めるため、モデレーターに山田繁和氏(大阪工業大学大学院 教授)を迎え、講演内容の振り返り(講演内容の整理や補足、ポイントの確認等)や講師および参加者を交えた活発な意見交換を行いました。
平成30年度の第1回目(通算第4回目)のデザイン活用セミナーは、平成30年8月28日(火)に、大学や産業支援機関を中心に26名の参加のもと、京都リサーチパーク(KRP)において開催しました。
将来デザイナーとして活躍するためには、知的創作物を円滑に扱うための知財の基礎知識を修得しておくことが必要であることから、第1回セミナーでは、「芸術・デザイン系大学における知財教育の意義と実践に向けた動き」をテーマに、2名の講師により、芸術・デザイン系大学における知財教育の意義と特許庁より公表されたデザイン分野のための知財教材について紹介しました。さらに、モデレーター(山田繁和 大阪工業大学大学院 教授)による講演内容の振り返りと講師および参加者を交えた活発な意見交換では、予定時間を大幅に延長した活発な意見交換が展開されました。【案内チラシ】 【プログラム&講演概要】
1.事業の名称
平成30年度 第1回(通算第4回)デザイン活用セミナー ~知財トラブルにまきこまれないために~
2.日時
平成30年8月28日(火)14:30~16:30
3.場所
京都リサーチパーク(KRP) 4号館2F ルーム2
4.参加者数
26名(講師・モデレーター、事務局7名を含む)
5.主催
京都産学公連携機構 (京都府、京都市、京都商工会議所、(公社)京都工業会、京都大学、(公財)大学コンソーシアム京都)
6.後援
特許庁、 経済産業省 近畿経済産業局、 (一社)京都発明協会
7.内容
【テーマ】 芸術・デザイン系大学における知財教育の意義と実践に向けた動き
【概 要】 将来デザイナーとして活躍するためには、知的創作物を円滑に扱うための知財の基礎知識を修得することが必要であることから、芸術・デザイン系大学における知財教育の意義と特許庁より公表されたデザイン分のための知財教材についての紹介
【ご講演される辰巳教授】
■講演-1
【演 題】 芸術・デザイン系大学における知財教育の意義
【講 師】 辰巳 明久 氏 (京都市立芸術大学 教授)
【概 要】 芸術系大学の学生に対するデザイン教育で重要な、社会におけるデザイナーの役割や位置づけの認識には産学公連携による学外連携授業が最も効果的であり、そのためには、成果(研究成果)として創出されるモノやサービス(作品)の知的財産の取り扱いについて、企業や行政等と大学との調整(契約)、さらに大学と学生との調整が必要である。
セミナーでは、京都市立芸術大学における学外連携授業の事例紹介を基に、芸術・デザイン系大学における学生への知財教育の意義について解説【講演資料】
【ご講演される吉田特任研究員】
■講演-2
【演 題】 特許庁知財教材「デザイナーが身につけておくべき知財の基本」開発について
【講 師】 吉田 悦子 氏 (大阪大学知的基盤総合センター 特任研究員)
【概 要】 将来デザイナーとして活躍するためには、知的創作物を円滑に扱うための知財の基礎知識を修得することが必要である。セミナーでは芸術・デザイン系大学における知財教育の意義と特許庁より公表されたデザイン分野のために開発した知財教材(デザイナーが身につけておくべき知財の基本:90分×15講義から構成)について紹介、解説【講演資料】
■モデレーターによるまとめ
モデレーター(山田繁和 大阪工業大学大学院 教授)による講演内容の振り返りと講師および参加者を交えた活発な意見交換
【総括される山田教授(モデレーター)】
【振り返りと意見交換の風景】